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アドヴェントとクリスマス

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一年で一番大切な行事、クリスマスとその準備期間アドヴェントは、ドイツでもっとも重要な歳時です。

オルデンブルクのクリスマスマーケット
オルデンブルクのクリスマスマーケット © dpa

アドヴェントとは

10月の最終日曜日、ドイツでは時計の針を1時間戻して夏時間から冬時間に切り替えます。すると、日もどんどん短くなり、人々はこれから始まろうとしている長い冬の到来を感じます。もうすぐやってくる一年で一番大切な行事、クリスマスとその準備期間アドヴェントのことを楽しく考え始めるのもこの時期で、ドイツでもっとも重要な歳時です。12月25日のクリスマスのクライマックスに向かう4週間をアドヴェント(待降節)と言い、ドイツの人々にとって一年で一番大切な、喜びにあふれる4週間となります。


アドヴェンツカレンダーを開けるとチョコレートが。
アドヴェンツカレンダーを開けるとチョコレートが。 © picture alliance

アドヴェンツ・カレンダー

子供たちにとってクリスマスはもちろん特別です。その冬の楽しみのひとつに「アドヴェンツ・カレンダー」があります。これは12月1日から12月24日までの数字が窓になっている一枚のカレンダーです。毎朝その日の日付の入った窓をひとつずつ開けて、その向こうに現れるクリスマスに関するイラストを楽しみにします。チョコレートが入っているものもあり、11月になるとお菓子売り場にたくさんの種類が並びます。大人にも人気のチョコレート入りカレンダーですが、一気にあけてしまいたい気持ちをおさえるのもたいへんです。それでも「クリスマスまであと何日…」と毎日一粒ずつチョコレートを食べながらクリスマスが来るのを指折り数え、それが毎日の楽しみとなります。

クリスマス前の時期-アドベント-には、とくに子供のために「アドベンツカレンダー」があります。アドベンツカレンダーは12月1日から24日までの数字が窓になっている一枚のカレンダーで、その窓や小さな袋を開けるようになっていて、その中にはちょっとしたものが入っています。「アドベンツカレンダーは、19世紀前半のビーダーマイヤー時代の産物です」というのは、レーゲンスブルクの民俗学者エスター・ガーイェックさんです。「最初の頃は日時の数え方のあらゆる方法をアドベントに応用しました。紐を切ったり、ドアにチョークで線を描いたりもしました」今では、アドベンツカレダーは、ちょっとした嬉しい驚きをもたらすものとして家族や友人の間ですっかり定着しています。包装も中身もどちらも大切ですが、包装しやすい小さな物が適しています。例えば、美味しいお菓子やクリスマスらしいオーナメント、おしゃれな小瓶に入った香水やおもちゃなどです。カレンダーの窓や小袋に入らない物は、代わりに引換書を入れておきます。自分でカレンダーを作るのはちょっとという方は、チョコレートメーカーが大人と子供のために作っている中身の入ったアドベンツカレンダーで済ますことができます。


アドヴェンツクランツ
アドヴェンツクランツ © chromorange

アドヴェンツクランツ

アドヴェントの期間に入る前に家庭でまず用意されるのが「アドヴェンツクランツ」です。これはもみの木などの常緑樹で作ったリースに4本のろうそくを立てたものです。花屋さんやクリスマスマーケットで出来上がったものを買うことができますが、多くの家庭ではお母さんが手作りし、食卓のテーブルに飾られます。
クリスマスからさかのぼって4つ前の日曜日を「第一アドヴェント」と呼び、家族全員が揃う朝食の時に最初の1本目のろうそくに火が灯されます。次の日曜日には2本目、その次には3本目のろうそくに、というふうに日曜日がくるたびにクリスマスが近づいてきていることを実感し気分が盛り上がっていきます。そして4本のろうそくすべてに火が灯される第四アドヴェントを迎えると、クリスマスはもうすぐそこ、というわけです。


クリスマスツリーとプレゼント
クリスマスツリーとプレゼント © dpa-Zentralbild

クリスマス・イブ(12月24日)

約4週間のクリスマス準備期間があるドイツですが、家庭にツリーが登場するのはクリスマスイブの12月24日で、1月6日の三王来朝の日まで飾られます。
多くの家庭ではもみの木やトウヒなどの本物の針葉樹を買ってきて24日まで家の外に置いておきます。居間に置かれたツリーは天井に届きそうなほど大きいものもあり、飾りつけにも時間がかかります。毎年使う飾りのほかに新しく買い足したもの、手作りのものなどを枝にぶらさげていき、その作業は楽しいものです。ろうそくは本物を使うこともよくあります。
ツリーがきれいに出来上がると、プレゼントを木の下に置いていきます。プレゼントは両親から子供へだけでなく、家族ひとりひとりがそれぞれに用意して、自分たちでラッピングし、必ずカードを添える心のこもったものです。夕食の後にこの一番楽しみな時間がやってきます。みんなでプレゼントを開けるのです。


クリスマスの定番料理-鴨のロースト
クリスマスの定番料理-鴨のロースト © blickwinkel

クリスマス(12月25日、26日)

12月25日と26日はクリスマスで祝日となります。ドイツでは日曜日や祝日はお店が休みですが、特にクリスマスは通りに人影も少ない静かな祝日となります。
クリスマスの料理として代表的なものはカモや七面鳥です。ゆっくり食事をとったり、散歩したりして家族との時間を楽しみます。近くに住む親戚を訪ね、お墓参りをして静かに過ごすのがドイツのクリスマスです。


三王来朝 / Dreikönige
三王来朝 / Dreikönige © chromorange

三王来朝(1月6日)

クリスマスの終わりは1月6日の三王来朝の日です。キリストの誕生を聞いて三人の賢者が星に導かれてやってきたのです。家庭ではこの日にクリスマスツリーを片付けます。これで1ヶ月以上続いたクリスマスの一連の行事がおしまいとなり、新しい一年が始まるのです。

関連コンテンツ

アドヴェント(待降節)の期間中は、ドイツ特にザクセン地方のクリスマスにまつわる全てのものがドレスデンに勢揃いします。ドイツ最古のクリスマス市、ドレスデンのシュトリーツェルマルクトは11月27日からクリスマスイブまでエルツ山脈地方の玩具や、ツリーのオーナメント、各地の名物を揃えて待っています。

ドレスデンのアドヴェント

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